
院長:高木お気軽にご相談ください!

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湘南カイロ平塚整体院の高木です。赤ちゃんがいつも同じ方向ばかりを向いて寝ていて、ドーナツ枕を買おうか迷っている方も多いのではないでしょうか。楽天やAmazonで向き癖防止枕を見かけて、これを使えば改善できるかもしれないと期待を持たれる気持ち、とてもよく分かります。
当院には赤ちゃんの向き癖で悩んで来院される方がたくさんいらっしゃいますが、その中には枕を購入して使ってみたものの効果が感じられなかったという方も少なくありません。今日は向き癖と枕について、専門家の立場から本当のことをお話ししていきますね。




枕だけでは向き癖の根本原因にアプローチできないことが多いです
結論から言うと、ドーナツ枕が向き癖の改善に効果があるという科学的な根拠はほとんどありません。ドーナツ枕は頭への圧力を分散させる効果はありますが、向き癖そのものを治すことは難しいのが現実です。
向き癖の原因は頭の一点に圧力がかかることだけではなく、首の筋肉の緊張、頚椎や胸椎の変位、全身のバランスの崩れなど、複数の要因が複雑に絡み合っています。枕を使って頭の形を整えようとしても、身体の根本的な問題が残ったままでは、赤ちゃんは結局また同じ方向を向いてしまうのです。
赤ちゃんは寝ている間もよく動きます。最初はドーナツ枕の真ん中に頭を置いていても、気づいたら枕からずれていたという経験をされた方も多いのではないでしょうか。赤ちゃんの自然な動きを枕で制限することは、かえって身体の発達を妨げる可能性があります。
また、向き癖がある赤ちゃんは、身体そのものが特定の方向を向きやすい状態になっています。枕を使って頭の位置を変えても、身体の緊張や骨格の問題が解決されていなければ、赤ちゃんは無理に首をねじってでも楽な方向を向こうとしてしまいます。これでは向き癖の改善にはつながりません。
向き癖改善の効果が限定的であることに加えて、枕の使用には安全面での懸念もあります。特に新生児期の赤ちゃんに枕を使用することは、いくつかのリスクを伴います。
乳幼児突然死症候群の予防として、赤ちゃんのベッドには柔らかいものを置かないことが推奨されています。枕も例外ではなく、うつぶせになったときに顔が埋まってしまい、窒息のリスクがあると指摘されています。赤ちゃんがまだ自分で頭を動かせない時期に枕を使うことは、特に注意が必要です。
ドーナツ枕の代わりにタオルを使う方法もありますが、これも同様に窒息の危険性があります。赤ちゃんが手足を動かした際にタオルが口や鼻を覆ってしまう可能性があるため、使用する場合は必ず大人が見守っている状態で行う必要があります。
枕を使うことで頭部の通気性が悪くなり、体温がこもりやすくなることも懸念されます。赤ちゃんは体温調節機能がまだ未熟なため、頭部に熱がこもることは避けたい状況です。また、枕によって赤ちゃんの自然な体位変換が妨げられることも、安全な睡眠環境という観点から好ましくありません。
枕を購入する前に、まずは日常的な育児の中でできる工夫を試してみることをおすすめします。これらの方法は特別な道具を必要とせず、今日から始められるものばかりです。
赤ちゃんが特定の方向ばかりを向く原因の一つは、環境にあります。ベッドの位置、照明の配置、家族がいる方向などを見直してみましょう。ベッドの向きを数日おきに180度回転させるだけでも、赤ちゃんが見る方向が変わり、向き癖の予防や改善につながります。
おもちゃやモビールの配置にも気を配りましょう。向き癖とは反対側におもちゃを置くことで、赤ちゃんの興味をそちらに向けることができます。窓からの光や家族の声など、赤ちゃんが自然と反対側を向きたくなるような環境を作ることが大切です。
お母さんやお父さんには利き腕があるため、無意識のうちに同じ側で抱っこをしたり、同じ向きで授乳をしたりしがちです。意識して左右の腕を交互に使うことで、赤ちゃんの首や体幹の筋肉がバランスよく発達し、向き癖の改善につながります。
授乳のときは、右のおっぱいと左のおっぱいを交互にあげることを心がけましょう。ミルクの場合も、抱く腕を毎回変えることが重要です。縦抱き、横抱きとバリエーションを持たせることも、赤ちゃんの身体の発達にとって良い刺激になります。
タミータイムとは、赤ちゃんが起きているときにうつぶせの姿勢で遊ばせることです。これは向き癖の改善だけでなく、首や背中の筋肉を鍛え、運動機能の発達を促す効果もある、とても重要な時間です。新生児期から始めることができ、最初は1日に数回、1分から2分程度から始めます。
タミータイムは必ず赤ちゃんが起きている時間に、大人が見守りながら行うことが絶対条件です。うつぶせ寝は窒息のリスクがあるため、決して寝かせるときにうつぶせにしてはいけません。固い床の上で行い、柔らかいソファやクッション、ベッドの上では絶対に行わないでください。
当院で多くの赤ちゃんを診てきた経験から断言できるのは、向き癖の原因は一つではなく、いくつかの要因が複雑に絡み合っているということです。胎内環境、出産時の影響、首の筋肉の未熟性、環境要因、抱き方の癖など、複数の原因が引き金となり、赤ちゃんの頚椎、胸椎、骨盤などが変位します。
あわせて全身の筋肉、筋膜、皮膚に緊張ができてしまい、これらが身体の自由な動きを制限してしまうことで向き癖になります。向き癖の原因は一人一人異なるため、単に枕の高さを変えたり、マッサージしたりするだけでは問題は解決しません。
一時的に効果があったように見えても、いつの間にかまた同じ向き癖に戻ってしまうのは、真の原因にアプローチできていないためです。だからこそ、一人一人の赤ちゃんの原因を正確に見極める検査がとても重要になってきます。
当院では、一般的な治療院では行わない、経験と科学を融合させた独自の検査で、向き癖の真の原因を見つけ出します。頚椎や胸椎、骨盤の位置、筋肉や筋膜の緊張状態、皮膚の硬さなど、多角的に身体の状態を確認していきます。検査によって原因が明らかになれば、それに対する適切なアプローチ方法も明確になります。
当院では、枕に頼るのではなく、赤ちゃんの身体そのものにアプローチする施術を行っています。施術は3グラム程度の非常に小さな刺激で行います。大人の身体と違い、赤ちゃんの身体は骨も筋肉もまだ未発達です。強い刺激は必要なく、むしろ逆効果になることもあります。
検査で見つかった問題箇所に対して、ソフトな刺激で矯正していくことで、赤ちゃん本来の自由な動きができるようになっていきます。施術を受けたお母さんからは、こんなに優しい刺激で本当に効果があるのか不安だったけれど、実際に向き癖が改善されて驚いたという声をよくいただきます。赤ちゃんが泣くこともほとんどなく、リラックスした状態で施術を受けることができます。
施術だけでなく、日常生活での工夫もとても大切です。当院では、ご家族の負担にならず、すぐに実践できるセルフケアや生活習慣のアドバイスもさせていただいています。寝かせる位置の工夫、抱っこの仕方のバリエーション、うつぶせ遊びの取り入れ方など、具体的な方法をお伝えします。
これらの日常的な工夫と当院での施術を組み合わせることで、より早く、より確実に向き癖の改善が期待できます。枕に頼るのではなく、赤ちゃんの身体が本来持っている力を引き出すことが、根本的な改善への近道なのです。
ここまで枕の効果が限定的であることをお話ししてきましたが、それでも枕を使用したいという場合は、いくつかの注意点を守ってください。
枕を使用する場合は、首がすわり始める生後3ヶ月頃からが目安とされています。新生児期には基本的に枕は必要ありません。使用する際は、必ず大人が見守っている時間帯に限定し、夜間の睡眠時には使用しないことをおすすめします。
また、枕を使っているから大丈夫と安心するのではなく、あくまでも補助的なものと考え、環境の工夫や抱っこの仕方、タミータイムなど、他の対策も並行して行うことが大切です。枕だけに頼ることは避けましょう。
枕を選ぶ際は、通気性が良く、洗濯可能な素材を選びましょう。オーガニックコットンなど、赤ちゃんの肌に優しい天然素材がおすすめです。柔らかすぎる枕は顔が埋まる危険性があるため避け、適度な硬さがあるものを選んでください。
向き癖は頭蓋骨が柔らかい生後4ヶ月頃までが対応のゴールデンタイムと言われています。この時期を過ぎると頭蓋骨が徐々に固くなり始めるため、改善に時間がかかるようになります。枕を買おうか迷っている時間があれば、まずは環境の工夫や抱っこの仕方を見直してみてください。
それでも改善が見られない場合や、向き癖が強い場合は、専門家に相談することをおすすめします。向き癖は適切な対応をすれば改善できる症状です。枕に頼るのではなく、赤ちゃんの身体そのものを整えることが、本当の意味での改善につながります。
当院には、枕を試してみたけれど効果がなかったという方も多く来院されます。そのような方でも、検査で原因を特定し、適切な施術を行うことで、向き癖が改善されていくケースをたくさん見てきました。一人で悩まずに、いつでもご相談ください。赤ちゃんの健やかな成長のために、一緒に最適な方法を見つけていきましょう。

